栄養素ごとの役割
2018.06.28

炭水化物を抜くのはNG?おすすめの食べ物やとり入れ方

ダイエット目的や「なんとなく体にいいから」という理由で、炭水化物を抜く食事法をよく耳にします。しかし、炭水化物を極端に抜くことのデメリットはあまり知られていません。炭水化物の役割や効果、過度な制限による危険性などを解説し、健康や美容によい摂取方法をご紹介します。

監修医師

監修 管理栄養士  川村郁子 先生

炭水化物

ダイエット法で注目されている炭水化物抜きの食事法。しかし、日々の食事でご飯を減らしたり抜いたりしているのに、「なぜか痩せられない」と思っている人は多いのではないでしょうか。健康な生活を送るうえで欠かせない炭水化物と、バランスのとれた付き合い方を解説します。

炭水化物とは?

炭水化物は、タンパク質、脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、体を動かすエネルギー源となる重要な栄養素です。

炭水化物の役割と効果

炭水化物は筋肉や内臓を動かし、脳を働かせるエネルギー源です。健康的な生活を送るうえで、必要な量を毎日摂取することが重要な栄養素です。炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、それぞれ以下のような役割があります。

<糖質>

  • 炭水化物から食物繊維を除いたもの
  • 体を動かす主要なエネルギー源。1gあたり4kcalのエネルギー
  • ブドウ糖として血液中に存在し、ブドウ糖の濃度が血糖値といわれる

<食物繊維>

  • 便通や腸内環境の改善
  • 発がん物質などを吸着・排出
  • 血糖値の急激な上昇の抑制
  • コレステロールの産生を軽減・脂質異常症の抑制
  • 胃腸粘膜の保護・空腹感の抑制

炭水化物を過剰に摂取すると、体内で消費されなかった糖質が中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります。そのため、「炭水化物を制限する食事法」がダイエット法として注目されています。

炭水化物を抜く危険性

「炭水化物が太るなら抜いてしまえばいい」と考える人もいると思います。しかし、それはとても危険な行為です。

糖は脳や神経にとって唯一のエネルギーで、不足すると集中力や判断力が鈍るおそれがあります。また、脳は糖を蓄えることができないので供給が必要です。

さらにエネルギー不足で疲労感を抱いたり、食物繊維不足で便秘になったりします。

1日の摂取量の目安は?

体を動かすエネルギー源となる炭水化物は、性別・年齢による基礎代謝量や、日頃の運動量によって推奨摂取量が異なります。厚生労働省によると、1日の推奨摂取カロリーの50~65%相当の、炭水化物の摂取を推奨しています。

成人女性に例えると、1日の目標摂取カロリーを2000kcalとした場合、1000kcalの炭水化物が必要となります。お茶碗1杯分の白米に換算すると、約4.2杯分です。

炭水化物と糖質の関係性

「炭水化物を食べると太る」といわれますが、それには糖質が大きく関係しています。主食抜きのダイエットをしていてもなかなか効果を実感できない人は、主食以外の食品に含まれる炭水化物に注目してみましょう。

炭水化物が多く含まれる食材

炭水化物といえば主食であるご飯やパン、麺類などが思い浮かびます。しかし、根菜や果物などにも炭水化物は多く含まれています。ここでは、炭水化物が多く含まれる食材と炭水化物含有率を紹介します。

<穀類>

  • コーンフレーク 83.6%
  • 餅 50.3%
  • 食パン 46.7%
  • クロワッサン 43.9%
  • 白米 37.1%
  • 玄米 35.6%

<麺類>

  • そうめん(乾燥) 72.7%
  • パスタ(乾燥) 72.2%
  • 中華麺(茹で) 29.9%

<根菜>

  • マッシュポテト(乾燥)82.8%
  • さつまいも 39.0%
  • 山芋 27.1%
  • かぼちゃ 21.3%

<果物>

  • 干しブドウ 80.7%
  • 干し柿 71.3%
  • バナナ 22.5%

摂取しすぎても少なすぎてもいけない炭水化物。体重や健康が気になる方には、難しい問題ですね。そこで、炭水化物と上手に付き合うために活用したいのが「低GI値食品」です。

炭水化物を摂るなら「低GI値食品」を

GI値(グリセミック指数)とは炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードを示した数値のこと。数値が低いほど、血糖値の急激な上昇を抑制する効果が期待できます。

糖質よりも食物繊維を多く含むものが「低GI値食品」といわれます。炭水化物の中では、太りにくいうえに食後の眠気も起こりにくいといったメリットがあります。例えば、玄米、全粒麦パン、レーズン、さつまいもなどは「低GI値食品」です。

低GI値食品の選び方は「白より黒」の食材を

「低GI値食品」を選ぶときに、おおよその見分け方があります。うどんより蕎麦など、「食材の色が白っぽいものではなく、黒っぽいものを選ぶこと」です。

黒っぽい食材は、食物繊維が豊富な皮を含んでいることが多いのです。白米や食パンの代わりに、低GI値食品である玄米やライ麦パンなどを選んだり、白米に雑穀を混ぜて炊いたりするのもおすすめです。

その他、副菜であれば蒸し鶏、ゆで卵、豆腐、ブロッコリーなどが「低GI値食品」のため、うまく食生活にとりいれてみましょう。また、「低GI値食品」ばかり食べていて、なかなか満足感が得られない場合は、高GI値食品と低GI値食品を組み合わせることで、全体のGI値を軽減させるのがポイントです。例えば、白米と一緒に海藻やきのこ類など、食物繊維を多く含む食材を組み合わせて食べるなどです。

まとめ

若いころに比べ、新陳代謝も下がり痩せにくくなると炭水化物を抜いた極端なダイエットを行う人も多いようですが、体への負担やリスク、リバウンドも考えるととても危険です。

炭水化物の量をなんとなく制限するのではなく、穀物の選び方を工夫し、低GI値食品をうまく食事に取り入れましょう。長期的な食事改善でリバウンドを予防し、健康的にスリムな体を目指すのが大切です。

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