高栄養価の食べ物
2019.01.16

いつでもプチプチ!理想の穀物・キヌアの効果と料理への活用法

「栄養価が高く、健康に役立つ」と欧米で話題のスーパーフード。近年は日本でも入手しやすくなってきていますよね。でも、実際にどんな栄養や、健康への効果があるのか、よく知らない人も多いのでは?今回はそのなかでもキヌアに注目して、その効果や活用法をお伝えします!

監修医師

監修 管理栄養士  横川仁美

キヌアの効果について

健康志向のカフェやレストランでサラダをオーダーすると、小さなリング状の穀物がたくさん入っていることがありますよね。プチプチ・モチモチとした食感の、この食材こそがキヌア。アメリカ航空宇宙局(NASA)からも注目されているスーパーフードなんです。

最近は身近な輸入食材店やスーパーなどでも、キヌアをよく見かけるようになりました。今回はそんなキヌアの栄養素や健康への効果をご紹介するとともに、普段のお料理にどう活用したらよいかについてもお伝えします。

なお、スーパーフードについて詳しく知りたい方は、『健康や美容に効果あり?話題のスーパーフードとは』もぜひ、ご覧ください。

21世紀の主要食・キヌアってどんな食材?

アンデス原産のキヌアは、ほうれん草と同じヒユ科アカザ亜科の一年草。品種によって、白や黒、赤、黄色、紫などさまざまな色があります。食用にされるのは主に種子の部分なので「偽穀物」といわれていますが、穀物と同様に、高い栄養価を有しています。

南米の古代文明において、キヌアは主要な食料とされてきました。摂氏-4度から35度まで幅広い気温条件下で栽培でき、干ばつ地や塩分を含んだ土地、または標高の高い土地でも育つなどの気候順応性の高さから、広く注目されるようになってきています。

アメリカ航空宇宙局はキヌアを「理想の穀物」として評価しており、将来、宇宙船内の栽培に利用される可能性もあるそうです[1]。

キヌアの栄養素と健康への効果は?

キヌアは、さまざまな栄養素をたくさん、しかもバランスよく含んでいるのが魅力。特に、以下のような特徴が挙げられます。

  • タンパク質の含有量が多く、必須アミノ酸を網羅
  • カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛など必須ミネラルも豊富
  • 食物繊維やビタミンB群、ビタミンEも摂れる
  • コレステロール値の改善に役立つα-リノレン酸が摂れる
  • グルテンフリーで小麦アレルギーの人も安心

具体的な健康への効果については、もう少し詳しくご紹介しましょう。

必須アミノ酸を含む良質なタンパク質を摂ることができる

タンパク質やアミノ酸が私たちの体を作る、大切な栄養素であることはもうご存知ですよね。体を形成しているタンパク質は20種類のアミノ酸から作られていますが、うち9種類は体内で作ることができず、食事から摂る必要があります。

キヌアには、その9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。ですので、肉・卵など動物性タンパク質を摂らないことで必須アミノ酸が不足しがちな、ベジタリアンやヴィーガンの人たちからも注目されているんです。

生活習慣病のリスクを予防

南米では主食として食べられているキヌア。精白することで食物繊維やミネラルをとり去ってしまう白米よりも、幅広い栄養素を摂取することができます。

精白したうるち米とキヌアを比較した場合、摂取カロリーは同程度ですが、食物繊維は約12倍(精白米に0.5g:キヌアに6.2g/可食部100gあたり)、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸は約17倍(精白米に11mg:キヌアに190mg/可食部100gあたり)も摂ることができます[2]。つまり、いつものご飯をキヌアに置き換えると、

  • 腸内環境を整え便秘を改善する
  • 血中コレステロール値を下げる
  • 血管を拡張させて血圧の上昇を抑える

などの効果が高まり、生活習慣病のリスクを防ぐ働きが期待できるんです。

さらにキヌアは食後血糖値の上昇をゆるやかにする低GI食品なので、肥満やメタボが気になる人もおすすめです。

女性にうれしい成分も豊富

キヌアには、すこやかな肌づくりに役立つビオチンや葉酸といったビタミンB群が多く含まれているほか、抗酸化ビタミンとして知られるビタミンE、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルも含まれています。さらに、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするフィトエストロゲン(植物性エストロゲン)も摂取できるため、美容やアンチエイジングにうれしい効果も期待できます[3]。

グルテンフリーで、小麦アレルギーの人にも安心

偽穀物であるキヌアは、小麦に多く含まれている「グルテン」というタンパク質を含んでいません。そのため、小麦アレルギーを持つ人が食べても安心です。

さまざまなレシピで楽しめる!キヌア活用法

栄養価の高いキヌアは、味にクセがないためどんな食材とも合わせやすいのも魅力。ここからは、上手に活用する方法についてご紹介します。

なお、キヌアの粒は表面に苦味のあるサポニンを含んでいるため、水にさらしたり、泡が立たなくなるまで水洗いしたりしてから使いましょう[4]。商品によっては除去処理済みのものもあるため、詳しくは商品パッケージなどを確認してください。

茹でていつものお料理にプラス

まずは、基本の茹で方をご紹介します。

  1. お米をとぐ要領で水を2~3回変えながらキヌアを洗い、目の細かいザルに上げる
  2. 鍋にたっぷりのお湯を沸かして1のキヌアを入れ、15~20分茹でる
  3. 粒が透明になり、白いヒゲのようなものが出てきたらザルに上げてお湯を切る

柔らかく仕上げたいときは、お湯を切らずに10分ほど蒸らしましょう。茹で上がったキヌアはサラダにかけたり、スープに入れたりすると、プチプチの食感が楽しめます。ピラフやリゾット、炒め物に加えてもいいですし、ヨーグルトなどのスイーツに入れても意外と合いますよ。

炊飯器で炊いて使う

水洗いしたキヌアは、1.5倍の水とともに炊飯器で炊いてもOK。炊き上がったら茹でたときと同じように野菜と和えたり、クスクスの代わりに肉料理に添えたりしていただきましょう。

米1合+通常の水加減に、洗ったキヌア大さじ1と水大さじ1、ひとつまみの塩を加えて、炊き込みご飯にするのもおすすめ。いつもの食事で、栄養素の底上げができますよ。

香ばしく炒ってスイーツにプラス

さっと水洗いしてからフライパンで香ばしく炒り、パンケーキやクッキーなどの種に入れて焼いてみましょう。プチプチ、またはサクサクとした口当たりが楽しめて、食物繊維などもしっかり摂れます。

お茶として楽しむ方法も

キヌアは、お茶としても楽しめるんです。やはり水洗いしてから乾煎りし、お湯を注ぐとできあがりです。炒る時間や抽出時間によって香ばしさや味わいが変わるので、お好みのタイミングを見つけてください。

まとめ|南米のスーパーフード・キヌアを気軽に楽しもう

プチプチとした食感で、いろいろな料理にアクセントを添えてくれるキヌア。今回はその栄養価の高さや、低GI・グルテンフリーなどの機能性にもご注目いただけたのではないでしょうか。

そんなキヌアは、茹でたり、炊いたり、炒ったりしてさまざまなお料理に活用できます。ぜひ、さまざまなシーンでキヌアを楽しんでみてください。

参考文献

  1. [1]国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所 共同編集. 世界の農林水産. 通巻831号. 公益社団法人国際農林業協働協会(JAICAF) 2013; 3-8
  2. [2]文部科学省. "食品成分データベース" 文部科学省. https://fooddb.mext.go.jp/index.pl(参照2018-12-17)
  3. [3]プレスリリース. "キヌアのゲノム配列の解読に世界で始めて成功" 石川県立大学. http://www.ishikawa-pu.ac.jp/news/files/2016/07/mori_20160726.pdf(参照2018-12-17)
  4. [4]斎藤 糧三 監修. スーパーフード事典 BEST50: 栄養素、効能、おいしい食べ方がわかる. 主婦の友社 2016; 93

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